意識と無意識の仕組みを図で解説します
心の読めないAIは単なる自動電卓だ
私たちは様々なことに意識を向けて思い、考え、夢描き、悩みます。
また突然に激しい感情に心を占領され、自分の意識に大きな力が働い
ているのを察したりしますね。
皆さんも自分の心や意識の仕組みや動きをもっとよく知りたい、自分
の心を冷静に眺められたらもっと良い決断に役立つと考えているので
はないでしょうか?
最近はAI人工知能開発が脚光を浴びていますが、内容が単なる論理
的なプログラムでは足りなくて、社会に親しみをもって迎えられるに
は人間の意識のしくみに配慮できなければならないでしょう。
そこで最先端のAI研究者は先人の意識探求の成果である仏教の経典
を真剣に勉強しているそうです。
仏教では人間の意識段階を八識と捉えています
仏教では瞑想等を通じて深く心の動きを捉えるということが当た前
のように行われてきました。いろんな宗派で今も使われる般若心経
の中には意識に関する言葉が出てきますね。
無眼耳鼻舌身意という件ですが、あれは意識の段階そのものです。
1眼識(げんしき)
2耳識(にしき)
3鼻識(びしき)
4舌識(ぜっしき)
5身識(しんしき)
ここまでを前五識と呼び受動的に感じ取る意識です。
能動的にどうしようとかいう機能はないわけです。
6意識(いしき)
6番目にようやく意識が登場します。
これこそ貴方が思い、考え、夢描き、悩むメイン部門ですね。
私たちの意識で最も活動的な部門です。
ここまでの六段階を六識、または六根と言います。
この六根が停止した状態が無眼耳鼻舌身意なのです。
7末那識(まなしき)
様々な意識から焦点を特定の対象に向けて絞られた自我意識です。
ここで自我に対する執着が生まれると考えられています。
図のように意識のすぐ下にある末那識は執着を生み出していて
たいてい自動的に発生しているのです。
この末那識までの七つの意識段階を前七識と呼びます。
ここまでは意識することが容易ではっきりしています。
では前提の様々な意識とは何かというと8番目の阿頼耶識です。
8阿頼耶識(あらやしき)
とうとう最も深い意識に辿り着きました。
阿頼耶というのは蔵という意味です。
それに対する識が阿頼耶識ということになります。
前世の因果から芽生えた種子が私たちの意識に具体化されて前七識
となり、また前七識が種子を成長させて阿頼耶識に返し……という
因果形成プロセスを繰り返します。
東洋でも西洋でも同じ無意識にたどり着いた?
ここで注目すべきは阿頼耶識は個人の人生に限定された意識ではな
く、肉体が生まれるずっと前からあり、肉体が滅びてもさらに続い
ゆく不滅の意識なのです。
当然一個人の意識ではなく多数の人生が蓄積されており、この世に
生まれると時を隔てた果報が起こるとされています。
アカシックレコードという言葉をご存知の方はその考えと阿頼耶識
は似ていると思われたかもしれませんね。
アカシックレコードとはサンスクリット語でアカシャーと呼ばれる
虚空宇宙に蓄積されている過去のあらゆる出来事の記録で、神智学、
シュタイナー、E・ケイシーが積極的に肯定してます。
またユング心理学に詳しい方はC・G・ユングが提唱した「集合的
無意識」とよく似ていると思われたかもしれません。
集合的無意識は無意識の深層にあって地域や一族、さらに国や民族
を超えて人類全体に共通して存在すると考えられています。
科学的な検証はなされていないものの、このように東洋でも西洋
でも意識の深層に共通的で広大な最重要領域があると考えているの
は実に興味深いことであります。
これが正に心の真実に根差しているからこそ、東西を問わずに言及
されているのではと推察できます。
無意識を知ることで人生は好転できる
この深い無意識を認識することはそれほど不可能ではないと思われ
ます。昔の仏教の先達は様々な瞑想法を通して意識の成り立つ様を
冷静に知りえたのです。私たちもそれを真似てアプローチすること
が出来るのです。そうやって得られた情報を生かせば人生は悪い面
を避けて好転できる筈です。
2019/03/02追記
上の図で表面意識が一番上にあり、深層意識がその下、さらに下に
集合的無意識というピラミッド状に描いていますが、これは潜在と
いう言葉に引きずられたイメージです。無意識を氷山にたとえ表面
意識は海面に出ている一角にすぎないという説明を目にした方もい
るかもしれないのでとりあえずこの形にしてみました。
この捉え方だと自分の表面意識が一番強いような錯覚を起こす恐れ
があるかもしれませんね。
私自身は記事大惨事が教えた真実メタエンパスで描いたように図は
漏斗状になって上から集合的無意識、潜在意識、表面意識と降りて
くる形の方がパワー序列的に正しいと思っています。
図は下のようになり集合的無意識の上端は開かれたままです。
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