大惨事が教えた真実メタエンパス
突然、私を襲った体と心の異変
以前の記事で書いたことですが私は信長ではないですが医師の宣告か
ら自分は大人になる前に死ぬと勘違いしてました。そのため未来のな
い自分より他人を観察する事に興味を持っていました。それは孤独の
能力?とエンパスの能力を伸ばすことに役立ったのです。私は自然と
相手のほんのわずかな口調の変化や普通なら気にしない小さな身振り
からその人の本音を察する術を身に着けていたのです。
とはいえそういう特殊な能力は相手を目の前にしてこそできる事だと
自分も信じていました。
私は自分にかけた無意識の呪いからなんとかすり抜けて生き延びたの
ですが、1985年のある夕方、20代の私は衝撃的な体験をしました。
それは夏休みの時期。当時映写技師として映写室に入りフィルムを装
填して上映開始の時間を待っていました。
子供を連れたファミリーが続々と入って来て、期待が伝染するように
広がっているのを感じて私も嬉しい気持ちで眺めていました。
ところが私は胸の中で急に何かが広がるのを感じます。冷静に考えた
らそれは身体的な不調の肉体感覚である筈です。確かに肉体感覚とし
ての込み上げる不快感が確認できました。
なんか食中毒みたいなものを食べたかな?
私は振り返りましたが加熱しないモノはアイスぐらいで、心当たりが
ありません。それなのに不快感はしっかりと胸の底にしっかりと居座
って、不意に吐き気がはっきり込み上げました。
一気に脂汗が顔に噴きました。
こんな体調の悪さは小学生の頃の発作を凌ぐものでした。
なんといっても耐え難いのは吐き気そのものではなく、自分の未来が
たった今、正に無慈悲に閉じられようとしている予感、死神が私に手
をかけて大きな鎌を振り下ろそうとしており、私は恐怖の声すら出せ
ずに死の闇に引きずり込まれようとしている、その心的実感そのもの
があるのです。
それはひとことで絶望と呼ばれるものでした。
場内の家族連れは楽しそうにしゃべったり、中には興奮して走り回っ
ている子供が見えました。
しかし、私は最後方でしゃがみこんで吐き気と絶望を耐えるしかあり
ませんでした。
どうしてこんなに苦しいんだ。
心に問いかけてみましたが、もちろん答えなど届きません。
ただ脂汗を垂らして真っ暗な未来が自分を飲み込むに任せるしかない
のかとあきらめ始めました。
救急車を呼ぶことも思いつきません。なぜなら私の一番なんとかした
いのは突然私の日常に音もなく踏み込んできて私の生命をこの瞬間に
も断崖から落とそうとする絶望なのです。
この絶望を治せる救命医など世界中探してもいるとは思えません。
上映開始時間がもう迫っていましたが、私は腰かけたまま動けずにい
ました。
運よく仕事の終わった同僚がその映画を鑑賞するために戻って来てく
れ、私にひと声かけて映写機のスイッチを入れてくれました。
同僚は私の異変には気づかず、そのまま席に向かい、私も彼を呼び止
めて「さっきから絶望に襲われて死にそうな気がするんだ」とは言え
ずに見送りました。
それから十分ほどして予告編が終わる頃、私の吐き気と絶望は突然き
れいに消え去ったのです。時間にして30分少々でした。それは突然に
訪れて私の精神を恐怖で縮み上がらせ、突然に立ち去ったのです。正
に狐につままれたという形容が合うかもしれません。
私は、一体、なんだったんだよと問いかけました。
私の異変の原因は衝撃的な大惨事でした。
その夜、何事もなく帰宅した私はいつものようにテレビをつけました。
するとテレビでは全てのチャンネルが日本航空ジャンボ機が墜落した
という報道特別番組を流していました。
それは乗客509名、乗員15名を乗せた日本航空の通称ジャンボジェット
ボーイング747型の羽田発123便に相模湾上空で異常事態が発生、どう
やら墜落したというものでしたが、正確な墜落場所はその時点ではわ
かっていません。
(この部分は当時の心境を表すため情報を不正確なままにしています。
正確な事故概要についてはJAL安全啓発センターをご覧下さい)
情報は更新の頻度が少なくもどかしいように同じことを繰り返してい
ましたが、まもなく飛行経過が明らかにされました。
18時24分頃 機体後部で何らかの爆発
18時55分頃 音信不通、墜落した模様
衝撃で震えました。
私が吐き気と絶望に苦しんでいた30分こそジャンボ機が操縦不能のた
め迷走飛行していた時間帯とぴったり一致していたのです。
つまり何百キロも離れたジャンボ機の乗員乗客の苦しみと絶望は同時
刻に私に言葉なき声として届いていたのです。
気になって乗客名簿をよく見てみましたが、知り合いやそれらしき人
物は見当たりませんでした。
これはいったいどう捉えたらよいのでしょう?
真実、人は集合的無意識により繋がっている!
私の脳裏にユング心理学の言葉が大きく浮かびました。
紛う方なきシンクロニシティー!
大いなる集合的無意識が繋がっている厳然たる証拠!
ユング心理学の本は結構読んでいたのですがこの自分に集合的無意識
の決定的な証拠が示され、このようなシンクロニシティを実感すると
は考えてもいませんでした。
そして私の無意識、潜在意識に対するイメージも修正されました。
従来の無意識、洗剤意識に対するイメージは潜在という言葉のせいも
あってか自分の意識の下層に横たわるものというイメージでした。
それは個人の意識が無意識、潜在意識の上にあるという上下関係と捉
えられるのは自然なことでした。
自分心の底にどうにも理解制御しにくいやつがいるというわけです。
しかし多くの人々が共有しているという集合的側面が重要視されると
むしろ無意識、潜在意識は私の意識の上に位置していると考えた方が
良いように思えてきます。
最近はネット上のデータ倉庫をクラウドつまり雲と呼びますが、まさ
に無意識、潜在意識も私たちの上空に巨大な雲のように横たわってい
るのではないでしょうか?以前の記事「意識と無意識の仕組み…」にあった
図は以下に書き換えます。(毎度お見苦しくすみません)
そして雲から漏斗状に降りて来た一端が私たちの意識に繋がっている
というイメージです。
上部はさらにアカシックレコードに繋がっているのかもしれません。
私は人の意識が距離を超えて繋がっていることを、そして自分がメタ
エンパスとでも呼ぶべき者であることを思い知らされました。
しかし、私の能力などたいしたことではなく、そのうち当たり前にな
る時が来るのかもしれません。
それより重要なのは、【人の意識は全ての人の意識と繋がっているの
だ】という絶対的な真実です。
是非、貴方にもこの確信を持っていただけたらと思います。