怒りをコントロールする

怒りは極く短期の形成反射である

怒りは感情だから仕方ない?
怒りというものを感情の中でも最も激しいものだと考えてる方はわ
りと多いかもしれません。
怒りと行動が一致して暴力的な問題行為までに至るというケースは
まま見られるからそう捉えるのも無理からぬところがあります。

典型的なのが最近、よく耳にするのがあおり運転ですね。
(ネーミングとしてはあおり運転だと後ろからだけなので逆上運転
の方がいいと思いますけれど)

私も少し右に寄って走ってたところ、突然、黒い軽SUVにあおら
れたことがあります。並走してきて窓を開けたその運転者は怒鳴っ
てきたのですがこっちには「Ψ%ΘΛΓ¶Σ●§β」としか聞き取
れません。口の動きを読むと「俺は褌で顔を拭いたので食べてや
るからな」と想像ついたので私は笑わないように必死です。
(すみません、ちょっと盛りました)
私が止まると相手は先を急ぐらしくそのまま行ってしまいました。
もしかすると「法定速度プラス10キロが法定速度だろ」と言ってた
のかもしれません(笑)

このあおり運転の犯人はささいな点を自分の基準で咎めて「許せな
い」と判断して行動に出たように推測されます。

誰だって他人と接する時に気に入らないことはあります。それだけ
なら殆どの人にごく自然に起こりえる事です。
それはあなたの内側だけにあって外には表れていません。

相手のした【ささいだが気に入らないこと】は、あなたの内部に構
築されている絶対規則や、絶対常識や、完璧な私の優しさや、理解
されてない私の努力や、仕方なく服従してる義務や、口に出せない
秘密の苦しみなどに土足で踏み込んでしまったのです。

しかし、あなたが直接それを主張する説得力や勇気や時間などが足
りないとなると、あなたの無意識はあなたの気持ちを汲んで直接的
な態度や行動を形成しようと反応するのです。

「どうしてあんたはわからない?!」
無意識が引き鉄の言葉を脳裏に浮かべさせると、ノルアドレナリン
が分泌され、あなたの呼吸と心拍が早まり血圧が上昇します。また

ノルアドレナリンは 長期記憶の形成を促進する
徳岡 宏文、一瀬 宏 ノルアドレナリン 脳科学辞典より
DOI:https://doi.org/10.14931/bsd.1637

という働きを持っており、並行して今の事件を記憶するぞという執
念が生じていると推察されます

こうしてノルアドレナリンを燃料として、私の怒りは世界の正義だ
という客観的に見たらおかしな理論付けがされ、「もう許せない」
「怒ったぞ」と執念により自分の感情を後から組み上げてゆく感情
形成行程が起きているのです。
つまり怒りは極く短期の形成反射だということで、よく怒りは二次
感情と言われるのはこういう仕組みだと思います。

ではどう怒りに対処したらよいのでしょうか?
怒りをコントロールすることをアンガーマネジメントと言いますが、
怒りは自分の内側で起きていますから、きっと解決できる筈です。

 

怒りをコントロールする方法

怒りの6秒を深呼吸する

心理学では怒りは6秒しか続かないと言われています。

え、そんなことないよ、私は〇〇としょっちゅう喧嘩するけど、6
秒なんかで終わったことは一度もないものと言うあなた。

あなたは怒りが6秒で終わった後に、最初に「許せない」となった
瞬間の記憶を執念深く思い返し、息を詰めて、相手を睨み、心の中
で自分の正当性を主張を繰り返して延長戦をしかけているのではあ
りませんか?

あなたは6秒間を深呼吸しながらリラックスして眺めてください。

リラクゼーション・テクニックは、呼吸を整えること、その場から
物理的に立ち去ること等である。
アンガーマネジメント Wikipedia より引用

そして、怒りの熱の山が急速に冷めいてゆくのを観察すればよいの
です。なるほど怒りは極く短期の形成反射でしかないんだなとわか
ります。
あなたのように素敵な人間が怒りで評価を下げる必要はないのです。

怒りを書き出してみる

怒りで相手を支配するのはまず不可能だということはわかってます
よね?
相手を説得したいなら落ち着いた話し合いをしなければならないの
です。
相手が怒っていて自分だけ冷静になれないという状況なら、紙とペ
ンを出して、「どこが問題なのかお互いに書き出してみよう」と宣
言してみるのです。そうすることで怒りではなく、その元となって
いる理由が明確にされてクールダウンすることが出来ます。
そしたら妥協できる点はないか、落ち着いて考えてみてください。

相手と書き出しができない場合は日記などに怒りを書き出せばよい
のです。客観視してみることでどうして怒ったかがわかり、後日の
似たような場面でもっと冷静に対処できるようになります。

相手を許せなくなった自分の基準を緩める

怒りは極く短期の形成反射にすぎないのですから、以前からあった
あなたの基準をもう一度見つめてみましょう。

それは例えば前の段落で書いた、あなたの内部に構築されている絶
対規則や、絶対常識や、完璧な私の優しさや、理解されてない私の
努力や、仕方なく服従してる義務や、口に出せない秘密の苦しみな
どです。

あなたが怒りのために自分の心や細胞を傷つけるぐらいなら緩めら
れる規則や常識は緩めてもいいんです。
相手が鈍感だとしてもあなたの優しさや努力や秘密が直接傷けられ
る筈はないのです。

今後、怒りに近い場面に遭遇した時、コントロールの方法をお役に
立てていただければ幸いです。

ご精読、ありがとうございました!